悪くなった歯を抜くか残すかは歯医者によって治療方針が違う! - 岡田歯科医院

健康通信

【治療のはてな】

悪くなった歯を抜くか残すかは歯医者によって治療方針が違う!

悪くなった歯は抜かなければいけないのか?それとも治る見込が少なくても治療を続けて最後まで抜かないほうがいいのでしょうか。これはどちらも正解という答えになります。たとえば同じ口腔内の状態と同じ症状の患者さんがそれぞれ違う歯科医院に行くと一方の病院には歯を抜くことを進められ、一方では歯を残すことを進められてしまいます。

うぅ~ん。不思議ですよね。今回はこの歯を抜く抜かないの不思議な違いについて勉強していきたいと思います。

保存治療か口腔外科治療かで違います

この違いは一言で言ってしまうと内科的治療か外科的治療かの違いになります。歯科大学・歯学部には「保存科」と「口腔外科」というものがあり、どちらよりの医師なのかによって治療方針や治療方法が変わります。

先述のとおりどちらの歯科治療が正しいということではありません。外科的には治る見込みのない歯によるむし歯や病気の進行を早い段階で食い止めるという考えがありますし、内科的には自分の歯を大切にし抜歯は最後の手段であるというのも正しい答えなのです。

最近の傾向は?

それでも最近は抜歯は出来るだけ避けようという考え方に偏りつつあるのも事実です。あっけなく抜歯してしまうのではなく、せっかく生えている自分だけの歯をどのような形になろうとも大切にしたいという患者さんのメンタル的な部分を尊重した結果であると考えます。

昨今の優れたインプラント治療や義歯治療で抜歯した歯の代わりを担うことが出来るようになりましたが、それでも人間に自然に備わっている天然の歯の機能にはやはりかなわないのが現実です。

天然歯と人工歯の違いの一例になりますが、歯と歯のかみ合わせ時にクッションの役割を果たす「歯根膜」までは再現することは出来ません。これ以外にも天然歯には多くの大切な役割を持っていますが歯を抜いてしまうとこれらの歯が果たす役割や機能もすべてなくなってしまうということが最近の研究でも明らかになってきているということも歯を残す治療に偏ってきているということの要因の一つなのです。

抜かないといけない状態を知りましょう

しかし、どんな歯であっても残しておけば良いということではなく、天然の歯を残すより抜いたほうが良いという状態もあります。むし歯が進行してC4(歯医者さんが使うC1とかC2とかってどんな意味?参照)にまで達していると、歯だけでなく、その周りが化膿してしまい歯周炎などを起こしてしまっている場合などは早急な抜歯対応が求められます。

また、一度グラついてしまった歯を無理やり残してしまうことにより骨吸収が進行してしまい、その後のインプラント治療や入れ歯治療が難しくなる可能性もあるのです。

今回のまとめ

最近は歯の根っこ部分の治療や歯周療法の進歩により抜歯をしなくても良いという状況が増えてきています。しかし、上記のように抜いたほうが良いときありますので、しっかりと今の状態を把握し今後の治療を歯科医師と相談することをおすすめします。

もっとも大切なことは歯を抜くか、抜かないかという状態になるまでにしっかりと歯科医院にて治療をすることを心がけるようにしてください。少しの努力であなたの大切な歯を守ることができるのですから。

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